ティオマン島南部にあるツインピークス。これがドラゴンの角に見える事から、ティオマン島にはドラゴン伝説があります。
昔むかし、中国に住むオスのドラゴンとマレーシアに住むメスのドラゴンが恋に落ちました。ドラゴンは太陽の陽に当たると岩になってしまうため、太陽が沈むのを待ち、南シナ海で待ち合わせ、夜明け前にそれぞれの場所へと帰っておりました。 しかしある日の事、オスのドラゴンはいつもの場所へやって来ません。オスのドラゴンを待つメスのドラゴン・・・。時間は過ぎて行き日の出の時間が近づいて来ました。それでもその場を離れることが出来ないメスのドラゴン。ついに日が昇ってしまいます。こうしてメスのドラゴンは、愛しいオスのドラゴンを待ち続けながら岩となってしまいました。
悲しく切ないティオマン島のドラゴン伝説・・・。と思いきや、違う説もあるのです。
昔むかし、中国のドラゴンのお姫様がシンガポールの王子様に恋をしました。ある日お姫様は、王子様に会いに行こうと決心します。お姫様は大きな翼を羽ばたかせ、シンガポールへと向かうのでした。 飛び立ってから数時間後には海の上。疲れても飛び続けようと思っていたのですが、突然の嵐に見舞われました。そんな時にお姫様は、南シナ海にあるキラキラと輝く透き通った水で満たされている美しい場所がある事に気づきました。お姫様はそこで休むことにしました。 そっとその場所へ降り、新鮮な水・美しい空・彼女の体を温めてくれる太陽の光を楽しみます。とても気持ちが良く、お姫様は眠気を感じ寝てしまいます。
目 を覚ますと動物たちが彼女の周りにいることに気づきます。彼女の体に登る猿たち、足の間に身を潜める色とりどりの魚たち、お腹の上では旅人達が寛いでいま す。そして彼女は、みんなが必要とする憩いの場になろうと決めるのです。足を岩やサンゴ礁に変え、翼を木々に変え、彼女の体をその木々でジャングルとして 覆っていきました。最後に彼女は、愛しく思う海で、二度とは飛べない空の下、彼女の周りで息吹く生命を感じ、岩へと姿を変えました。こうして海の真ん中 に、優しい憩いの場としてティオマン島が生まれたのでした。彼女の角はツインピークスとして残っています。ここで今もなお彼女の気持ちは生き続け、島の全 てを守ってくれています。
悲しい伝説よりも、こちらの方がとてもティオマン島らしくていいな、と思います。細かい事はさておき、ティオマン島はこんな島だと思います!